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『イン・ザ・ヒーロー』やっぱ赤だよね

イン・ザ・ヒーロー

作品情報

監督・キャスト

監督: 武正晴
キャスト: 唐沢寿明、福士蒼汰、黒谷友香、寺島進、草野イニ、日向丈、小出恵介、及川光博、杉咲花、加藤雅也、松方弘樹、和久井映見、角替和枝、片山景介、木下ほうか、森本のぶ、小宮孝泰、山口大地、本多遼、白洲迅、小宮有紗、イ・ジュンイク

日本公開日

公開: 2014年9月6日

レビュー

☆☆☆

2014年9月11日。劇場観賞

東映東京撮影所の真ん前の劇場で観てきた。

劇場を出ると撮影所の玄関が見える。

あの中で数多くの戦隊ヒーローものが撮影されてきて、今も撮影されている…

そう考えると感慨深い。

東映祭りか何かで中に入った事もある。
我が家は男子が2人いる家なので、戦隊とライダーはずっと子どもたちと一緒に見て来て…子どもたちがとっくに卒業した今も1人で見ていますが何か……。

戦隊ものとは
男子の母にとっては子どもとの思い出を探るもの…自身も子どもの頃夢中で見ていたもの…そして、
次世代のイケメン俳優をいち早くチェックするもの←純粋な特撮ファンの方、ごめんなさいごめんなさい…

…で、仮面ライダーフォーゼ出身の福士蒼汰くんがヒーローの外の人の役になり、中の人…つまりスーツアクター経験者の唐沢寿明さんが中の人の役をやるという。
お二人にとっても感慨深い作品になっただろうな。
インザヒーロー2.png

あらすじ

本城渉はヒーロー映画やドラマの変身後を演じるベテラン「スーツアクター」。アクションを専門にこなすだけで、顔が映ることはない。やっと来た顔出しの機会も新人アイドル俳優・一ノ瀬リョウに奪われる。それでも「いつか」を夢見る仲間と誇りを持って仕事を続けていた。
そんな本城に、ついに大きな仕事がやってくる。

感想

戦隊ものは見てきたけれども、何せ先ほども書いたように見方が不純なので 、中の人の事にまで思いを馳せたことはなかった。

あの熱そうなピッタリしたスーツを着て仮面を被って…そりゃ、思うよね。「いつかは」って。

本城さんはブルース・リーに憧れてアクションの世界に入ったわけで、アクションに関する事とチームを大切にする事に関してメチャメチャ熱い。

熱いけれども、語りは押し付けがましくなくて静かに諭すようなタイプの人なので、いつの間にか一ノ瀬くんが彼について行っちゃう気持ちもよく解る。教えるのが上手い人なんだな。このキャラにとても好感が持てた事がこの映画の好感度にも繋がっている。

ヒーローものの裏話をたっぷり見ることが出来たのも興味深い。
一ノ瀬くんが次第に仲間に受け入れられて一緒に活動していく様子も自然で、練習風景も見応えあった。

OPの『ドラゴンフォー』映像のクオリティも素晴らしい。。主題歌、串田アキラさんだし、もう胸アツ…。♥
このまんま新シリーズ化していただきたいくらいだ。

クライマックスは、ええぇぇぇぇ…と思いながらも見入ってしまった…。
「オレがやらなきゃ誰がやる」は、もうヒーローそのもの。
インザヒーロー1.png

上映時間は124分だけれど長くは感じなかった。
ヒーローものに思い入れがある人ほど感慨深い作品だと思う。

OPも楽しいけれども、EDがまた…もしかしたら、そこで一番泣けるかも。

そして、これ、唐沢寿明物語でもあるよな~と思った。
何も飾らない隠さない前向きなキャラが、唐沢さんその物に見える。
自然体で本当に素敵な人だわ。
ファンは絶対に見るべき

それにしても…イ・ジュニク…もとい、チャン監督。滅茶苦茶やな。
勝手なヤツが多すぎるって、あんたの事だよ。 「映画は監督のものだ!」
インザヒーロー3.png

 


以下ネタバレ感想

 

クライマックスの燃え盛るヒーロー…は、実は「イメージ映像です」なのだと思って見ていた。

落ちた時点から先の立ちあいは全て本城の妄想で実は起き上がれなかったのかなぁ…という勝手な想像。
起き上がれて、ちゃんとアクションを続けたらしいと確信できたのは、凜子さんが駆け寄って抱きしめるシーン…。あ、リアルだったのか…じゃ、早く救急車を~~!!

あんな事になったら大火傷くらいじゃ済まない気がするけれども、まぁ…ファンタジーってことで。
ツッコミながら感動したところ。

ハリウッド作品への出演が決まって、ばんざいしながら走っていくシーンが好き。本城の夢の実現に対する思いが全身から溢れ出すシーン。

…もっとも、その後、凜子さんに怒鳴られちゃうわけだが。

無謀だよね。男のロマンは時に無謀すぎて特攻に似たものさえ感じる。
「オレがやらなきゃ」は尊いけれども家族としてはやってられないところだ。

こんなダンナさんは絶対に嫌だ。
…と、思う反面、こんなダンナさんを持つ奥さんは羨ましい。…という矛盾。

奥さんも娘も戻ってくるだろうラスト。こういうドラマにはハッピーエンドが相応しい。

しかし、監督は本能寺を燃やしてどうするつもりだったのだろう…燃やせばいいってもんじゃないのよ。信長はどうしたっ。

 

ラックバック
・象のロケット

★前田有一の超映画批評★

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