俺はまだ本気出してないだけ
監督: 福田雄一
出演: 堤真一、橋本愛、生瀬勝久、山田孝之、濱田岳、水野美紀、石橋蓮司、秋元黎、指原莉乃、賀来賢人、ムロツヨシ、川久保拓司、ドナルド・アッシュ、蛭子能収、尾上寛之、小柳心、村松利史、池田成志、佐藤二朗
公開: 2013年6月15日
2013年6月19日。劇場観賞。
面白かったよ。
すごく面白かったし、何度も笑い転げたし…。
しかし一方で笑ってる場合じゃない自分もいるわけで…。
なんつーかもう…身につまされる映画だった。
初っ端の「やばいだろう…やばいよ、お前」から、もう自分に言われてるかと思った。
えっ…だってヤバイ大人だから。実際に。
シズオは42歳のフリーター。ある日突然会社を辞め、自分探しを始めたのだ。
家族は高校生の娘と年老いた父。
ぼんやりと考えた末、シズオは漫画家になろうと思い立つ。
まず42歳で当てもなく会社を辞めちゃう所が痛い。42歳の転職は辛い。その年になれば自分と同じ年くらいの人間は当然上司だ。それどころか、職種によっては年下だって上司だ。
組織で働くのがイヤだから、何か独立しようと考える。
シズオの場合は何とか描けているらしいが、普通、40過ぎての漫画家も厳しい道のりだ。
芸術や文学の方面に年齢は関係ないんじゃない?と考える人もいるかも知れないが、人間は技術も成長するものだ。試しに好きな漫画家のデビュー当時の作品と今の作品を観比べてみれば解るはず。絵だって文学だって音楽だって年齢と経験を経て変わる。それが解っているから、編集だって新人は若い方がいいのだ。
この作品でこんな父親を黙って温かく見守っているお母さんのような高校生の娘を演じる・橋本愛ちゃんは、今現在、某公共放送の朝のドラマでアイドルを目指しているが、年が若い方がいいのはアイドルだけではないのである。42歳には伸びシロが少ないからだ。
この映画の橋本愛ちゃんは、「あまちゃん」よりも遥かに美しい。母性溢れる女子高生。
でもね、私にはシズオの足掻きもよく解る。
人生がここで決まっちゃうのなんてつまらない。別の自分になりたい…という気持ちは、たぶんいくつになっても捨てられない物だよね。
ただ、40過ぎてまで自分探しをしたいなら、それを受け入れてくれる物すごく優しい環境が必要だという事は肝に銘じなくてはならない。
だから、シズオはすごくツイテいる。
なかなかいないっすよ。こんな家族もこんな友達も…。まぁ…うむをも言わせない人格のせいでもあるけど。
ストーリーも面白いけれども、福田雄一監督作品を多く見ている人ほどワクテカするキャスト陣。
つつみんはもう素晴らしかった。ダメ男すぎた。上手すぎた。
まぁ…基本、「勇者ヨシヒコ」メンバーはほとんど出ているし~。ゲストキャストも含め。もうヨシヒコ番外編と言ってもいいくらいだろ。
ニセヨシヒコまで出てるもんね。
「コドモ警察」からスマートさん@秋元黎くん。ここでもかわゆす~。♥
そう言えば「コドモ警察」にも指原出ていたもんね。
まぁ…もう、お馴染みのメンバーの安定感。
ここから下ネタバレ↓観てない方は観てから読んでね
シズオ。お前一体いくつまで生きるつもりなの?
年老いた父にそう言われる痛々しさ…。
ホントだよねぇ…。そう言いたくなる親の気持ちがよく解るよ。
しかも、今のお年寄りは寿命がどんどん延びているわけだけど、ウチらの世代はたぶんそんなにもう長生きしないからね。親の世代と食料事情が違うもん。身体にいい物食べてないから。
ヘラヘラ笑いながら何度も心の中にグサグサと色んな物が刺さって行ったぞ…。
おれの将来ってもう来てるよな。絶賛将来中だよな。
いや、笑ってる場合じゃないから。
生瀬さんの宮田が、普通に堅実に生きている40代かなぁ。シズオを羨ましく思いつつ、飛びだす勇気は当然ない。
脱サラしてパン屋始めちゃって…妻子も戻ってくるラストは賛否両論なのかもしれないけれども、私は宮田が大好きだったからとても嬉しかった。♥
見張っていないとお父さんがシズオみたいになっちゃう!
泣きながら訴えるマサオくん…。
シズオも気づかぬうちに「反面教師」という役立つお仕事をしていたのだった。
やっぱり…周りの環境が温かい。
感謝して生きないとね。
そして、オレもいい加減に本気出さないと……。
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